真夏のニューオーリンズ。いつもの活気に満ちた街に、ハリケーン・カトリーナの影が迫る。カテゴリー5の勢力の直進コース上に位置するこの街は、厳しい現実を突きつけられる。避難命令が遅れたせいで、多くの人が街に閉じ込められ、猛威を振るう嵐に備えざるを得なくなる。大災害に備え、どう立ち向かったのか。住民たちが凄まじい体験を初めて語る。
ハリケーン・カトリーナが過ぎ去ると、堤防が決壊し、ニューオーリンズはあっという間に浴槽のように水浸しになった。救助隊員や一般市民は、地元住民を救うために勇敢に立ち上がったが、多くの住民は家から避難せざるを得ない。住民が危険な状況の中、必死に生き延びようとする一方で、水位の上昇とともに、あらゆるレベルにおいての政府の無能さが露呈する。
洪水から3日、救助活動は休みなく続く。政府の対応が遅れる中、数千人が未だ孤立状態だ。劣悪な環境のスーパードーム内では、それでも力強く生き抜こうとする人々の姿が見られる。しかし、メディアは被災者の救助よりも略奪行為ばかりに注目し、混乱ぶりを強調する報道が目立つ。
ハリケーン・カトリーナ直後のニューオーリンズ。オノレ中将は治安維持のための武力行使を求める圧力を受けつつ、救助活動の指揮を執る。その一方で、地元の人間も必死に人命救助にあたっていた。避難活動は難航し、何千人もの人々が自宅やスーパードーム、コンベンションセンター、連絡橋などに取り残される。緊張が高まる中、暴力事件が発生し、州兵は住民を標的にする。
ハリケーン・カトリーナによって、ニューオーリンズの不屈の住民たちは街を離れ、各地に散り散りになる。いつ、どうやって生活を再建できるか見通しも立たないまま、新たなニューオーリンズの青写真が描かれ始める。20年経った今でも、街に戻り、再建し、人生をやり直そうともがく住民たちの苦闘は続く。街の未来は岐路に立たされている。